元ヤン介護士の知佳のブログ

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官能小説『ただいま』 第5話 恋歌様作

恋歌様作


官能小説『ただいま』

Shyrock様のご許可を頂き掲載させて頂いております。


セーラーコス「ママ…」
「慎一…」
 そのままの姿勢でしばらくしてからようやく二つの裸身が動く。爆発の余韻の中で
愛し合う母子はしっかりと抱きしめあった。母は一人息子の最初の――おそらくは唯
一の――女となり、ひ弱な息子は逞しい母を真の意味で初めて“女の子”にしたので
ある。その事実の確認のための今の沈黙の時間ですら――
 事実にどちらがより感動したかは二人には判らない。その内容ないし主張を言葉に
するには互いにまだまだ時間が必要で…が――
「あ、また大きく…」
 熱中のあまり、入れたままだった母がうかつであった。息子はそのままで元気を取
り戻し、母と言う名の女を愛する“男”として―
「も、もうなの?なんて逞しい…い、いい!でも…もっとゆっくり…ああっ!慎
一ぃ…」




 六○二号室―― 


「ただいま」
 亮一はかなり陰気な声で自分のマンションのドアを開ける。その姿も声も――い
や、存在そのものが疲れきっていた
 無理も無い。金曜の夜である。月曜からの五日分の疲労が、下がった肩と辛気な顔
色に如実に出ていた――社会人と言うのは子供達が思う以上に大変なものなのだ。
「お帰り!」
 そこへ――何の配慮も同情もなく――反射的と言って良いほどの元気なダッシュで
人影が亮一の視界に飛びこんできた。
絶対に待ち構えていたに違いない。驚く事にそ
の人影は、今時貴重なセーラー服を着てすらいたのだ――亮一はそれを確認した瞬
間、五日分の疲労のさらに三割増に重く脱力した。
「お兄ちゃん!どしたの膝なんてついて?何かあったの?」
「あるのはお前だ!」
 玄関に片膝つきながらも亮一は絶叫した。本人としては必死なほどに真面目であ
り、ほとんど“魂の叫び”である。そうだろう。無理も無い。何せ、女子大生の妹が
中学時代の制服を着てきたのだから…
「いい加減にしろ!なんだ、その格好は!」
「せーらあ服よ。あたしの中学の頃の」
「だから!何で、今更、その格好を!?」
「だって、好きなんでしょ!?お兄ちゃんは、こんな“制服”が!」
 実の――たった一人の妹の夏子の反撃に、亮一はぐっ!とつまった。顔色まで変わ
る。
「……」
 かなりのダメージのようだ。何か思い当たる――やましい――ふしがあるらしい。
その引きつった表情はそうとしか見えなかった。
「さ、リビングに来るの!今日の保健チェッ~ク~~」
 明らかに心理的なものによるショックで有効な反撃の出来ない兄を夏子はリビング
へ誘った――いや無理矢理連行した。
「はいっ!脱いで!チェックするから!」
 リビングで夏子はそのまま兄のベルトに手をかけ、強引にスラックスを脱がせてし
まった。抵抗する間もない。さらにパンツも一気に引き下ろす――実の妹の前で下半
身を剥き出しにされる兄の意思など聞こうともしない。
「こ、こらっ!」
 さすがに抵抗しようとした亮一だが、妹はさらに大胆であった。むんずと兄の剥き
出しになった肉棒を掴み――しかも強引にしごき出したのである。
「いい加減にしろっ!夏子!」
「うるさいわね!お兄ちゃんがまた“いかがわしい”とこに行って、“許されないこ
と”をしていないか確かめるのよ!文句あんの!」
「……」


 ここで絶句せざるを得ない、たわけた兄に代わって、事情を説明しよう。
 まず、この二人はとても“仲の良い”兄妹である。数年前に両親を亡くし、今はそ
の保険金で購入したこのマンション六○二号室に兄妹だけで仲むつまじく暮らしてい
た。
 ――で、今の騒動の原因となったのは、兄の亮一が職場の飲み会において――ま
あ、酔った勢いと同僚との付き合いとかなんとかで、制服ヘルスにいったことによる
ものであった。
 その事自体は一般成人健康男性としては不思議でも何でもないであろう。男のコの
生理と言うのは定期的に放出を求めるものだし、またそういう男のコの為にそういう
店は存在を許されているのだ。まして、亮一は独身で彼女もいないのだから、誰が、
どういう理由で責める――いや責められるというのだ。
 同僚達がそう思ったのは間違いない。実際、彼等としてはこの件は、入社以来女っ
けが全く感じられない亮一への気配りと友情の証だったのだから。
――しかし、彼等は知らなかった。実は亮一には、美人で可愛い――そしてたいそう
仲の良い実の妹――『夏子』――という存在がいたことを……


「う―――んん。何か元気ないなあ。やっぱり、今日も“また”一発やっているのか
な?」
 夏子が笑顔で呟いた。しかし、目は笑っていない。声もかなり怖い。手は兄の大事
な肉棒をしっかりと握っている。きっと、そのまま握りつぶすことも可能であろう
――
 亮一は色の変わった声で叫んだ。
「違う!何もしていない!反応しないのはおまえのその――即物的なせいだ!」
「即物的?」
「そう!そんな無理矢理脱がせて、乱暴に握り締めただけでいくわけないいだろう!
乳牛だって嫌がるぞ、そんなもん!男はもっと繊細なんだ!」
「やっぱり、お金払って自分から服を脱いで、どこの誰のどんな使い古しかわからな
い初対面のお姉さんに優しくされないと駄目なわけ?」
 兄の魂の叫びに対して夏子はにこやかに聞き返し――その一瞬で亮一はしぼんだ。
やましいことがある――いやあった男というものはそういうものである。さらにそう
責めながらも犬歯を牙のように見せて笑顔を作る妹を見ると、一生このネタで虐めら
れるのではないかと言う絶望的な気すらしてくるのであった。(見事な未来予測であ
る)
「心配しなくもいいよ。お兄ちゃん。そんなこともあろうかと思ってこういう準備を
してきたんだから」
 一生このままであろうと確信できる自己の優位を確信しきった怖い微笑を浮かべる
夏子は右手はそのままにして身体の位置を変え、ソファに腰掛けさせられている亮一
の剥き出しの膝に座る。そしてセーラー服の前をはだけ、下着をつけていない胸を包
みこむようにして兄の顔に押しつけた。
「ほーーら。セーラー服の生おっぱいだぞ。好きでしょ?好きなんでしょ?お兄ちゃ
ん」
 中 学 生 用セーラー服のサイズにはすでにおさまりきれない妹の成長した両乳房が剥
き出しになり、“ぼわん!”と兄の顔を打つ。その熱さと柔らかさと、顔がうずまる
ような肉感が窒息しそうなくらいに亮一に迫った。
「…くっ!」
 亮一の奥歯が深刻な音を立てる。何と言う即物性であろうか。自分の見事な裸身を
出しさえすれば――自慢のDカップの乳房を押し付けさえすれば、兄がどんな状況で
あろうとすぐにも――簡単にも!――恥かしい反応をすると決め付けているのだ。夏
子は――この妹は!






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