漢の荒い息遣いを耳にしながら
右にしようか、それとも左が良いかと思い悩むがやがて、また眠気が強くなってきた。 起きていようと思っても、瞼がどんどん重くなる。
(もう……いいか。 このまま寝てらた、そのうち着くかも —— )
睡魔に負け、諦めが心を支配しかける。 その時、前の席から後ろの席に移って来る漢を、ぼやけてくる視界の中で捉えた。
相変わらずニヤニヤ笑う漢は、この瞬間も勃起させていた。 ズボンの前が、信じられないほど大きく盛り上がっていたのだ。
(凄いわ……あんなに大きいなんて)
しかしその驚きも、目を覚まさせる役には立たなかった。
(多分ウチが眠ったら、あの漢はウチを犯すんだ)
そうに違いないと分かっていても、躰が動かない。 それどころかむしろ、それでも構わないとさえ思い始めていた。
(…残念……だなぁ。 ウチは寝ちゃう……から、夢の中でしか……気持ち……よく……なれないのよね……)
目と鼻の先にやって来た漢の荒い息づかいを耳にしながら、知佳は眠りに落ちた —— 。
夢の中で何故か知佳は、深夜勤をほっぽらかし待機室で寝入っていた。 そこに、何処から侵入して来たのか知らないが、あのニヤつく漢が入り込み、背を向け横になる知佳の尻に触って来た。
ジャージを下にずらし、露になった尻を揉む。 背後からパンツをめくり上げ、しげしげと後ろのホールを見る。 その触り方が如何にも気色悪かったのか、知佳は漢の手を、まるで蚊を追い払うようにピシャリと叩く。
一瞬手を引いてくれたものの、またねちっこく触り始めた。 寝たフリし、目の端で見ていると漢は、おもむろにズボンを脱ぎ始めた。 ヤルならヤルで、早くしてくれたらよいものを、剥き出しにした棹を知佳のお尻をオカズに自分で扱き始めた。
もう少しでイキそうなのに、その一歩が足りなかったのか、再び近づいてきて今度はパンツを脇にどかし、現れた桃尻を両手で割って花芯を拝み始めた。
触れるか触れないかの距離を保ちつつ、まるで切っ先を花芯にめり込ますかのような動作を繰り返す。 待ちに待ったモノがやっと向こうから来てくれたような気がして、知佳は思わすその切っ先に向かって腰を押し付け、あられもない声を放っていた。
「シーッ、 静かにしろ!」
野太い、節くれだった漢の手が知佳の口元を押さえる。 押さえたからと言って声を完全にシャットダウンできるはずもないだろうが、それでも漢は口を塞ぎつつ知佳の膣内に肉胴を抽送し続けた。 なにしろ散々魅せ付けられ、飢えに飢えてる知佳は侵入してきた物体を夢中になって絞り上げた。
「そうやって自分でおさえとけ」
漢はこう言い放つと、知佳の尻を両手で抱えピストンを繰り返す。 荒い息を吐きながら知佳を割り広げ、中に注ぎ込もうとしていた。
まるで熊を思わせる毛脛が知佳の太股に言いようのない感覚を与え続けた。 野獣に喰われそうになり、逃げ惑うというのがぴったりのような絡み合いが繰り返された。 知佳は堕とされるであろうことを覚悟せねばならなかった。 躰を震わせながら締め上げるものだから、時々意識が飛ぶ。 ぬっちゃぬっちゃと濁った音を響かせながら粘膜同士が絡み合う。
次に目が覚めた時、窓の外には海が広がっていた。 それが日本海なのか、はたまた太平洋なのか、知佳にはわからない。 今がいつなのかも定かでなくなっていた。
だが、自分はこのまま一生涯バスに乗り続けなければならない運命にあるのではないかと、知佳は思った。
—— きっとそうに違いない。
熱くて硬いものに下半身を突き上げられながら、知佳は確信した。
