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官能小説『秘愛館“睡蓮亭”』 第1話 恋歌様作

恋歌様作


官能小説『秘愛館“睡蓮亭”』 image


男の子を宿していることに気づいた 「ねえ、本当にこの道でいいの?」
 ハンドルを切りながら宏美は助手席の息子に言った。十四歳の成幸は市販の道路地
図とパンフレット裏面の地図を照らし合わせている。東京から三時間は走りつづけ、
今や周囲は車一台分の道と広葉樹の木々だけしか見えない。
「うん。この道でいいよ。このまま真っ直ぐだ。こっちの地図の目印どおりだよ」
「でも、もう家も見えなくなったわよ」
「人里離れた温泉にある地図にない旅館なんだからいいんだよ」
 成幸は自信たっぷりだ。自分で探してきた目的地だけに強気である。宏美はため息
をつきながら独り言のようにいった。
「でも、本当にあるのかしら。外とは完全に隔離された――その・・近親愛専門の温
泉旅館なんてものは・・」


 宏美は十八歳で京都の女子大に入り、そこで家庭のある一回り以上年上の男性と恋
仲になった。初めて身体を許した相手だったし、本妻とは別れると男も誓ってくれた
ので宏美としては結婚する気でいたのだが、本妻が妊娠してしまうと話はがらっと変
わった。男はあっさり宏美を捨てて家庭に戻ってしまったのである。泣くに泣けない
宏美が自分も男の子を宿していることに気づいたのは、ショックで大学を中退して東
京の実家に帰ってからのことだった。
 一度は堕ろそうと考えたが、宏美の不倫には終始反対してきた実父がそれを止め
た。
「この子はおまえが作った命ではないか。母親のおまえが愛さなくてどうするんだ」
 そうして生まれたのがここにいる成幸である。宏美は父の会社を手伝いながら一人
息子を育てた。実父がこの初孫の父親代わりを十分につとめてくれたおかげもあっ
て、成幸は素直な良い子に育った。二人きりの親子の仲も良く、仕事も順調――宏美
は傍目にも幸せな家族を持つことができたのであった。
 そんな二人が今では人目をはばかる関係になってしまったのである。きっかけは成
幸が小 学 校高学年の時に起こった祖父の急死であった。宏美は成幸以外の唯一の家族
を失うとともに父の会社も引き継がねばならなかったのである。今まで手伝っていた
とは言え、経営者としては向かう姿勢の次元が違う。宏美はそれから数年間は勉強し
ながらがむしゃらに働いた。
 成幸は良い子でそんな母に協力をおしまなかった。家には深夜にしか帰らない母に
さびしさを感じたに違いなかったが、不平ひとつ言わず、学校に行き、家事を手伝
う。少なくともこの時期の成幸が親に一切手をかけさせない子でなかったら、宏美は
生きていくための重責に耐えられなかったかもしれなかった。
しかし、子供には我慢はできても寂しさや愛情の飢えを消すことはできなかったよう
である。母への愛がちょうど覚えたての自慰という形で現れるのは責められる事では
なかったのかもしれない。宏美は母の下着を盗み出し、それに射精する息子の姿を見
て今までの自分を後悔した。その寂しさを埋めるために母の手と口を、やがては身体
を息子に差し出したのは宏美にも受けた成幸にも自然のことだった――――


「ほら、見えたよ!」
成幸が指差した先に確かに大きな建物が見えた。5階建てで周囲は一面が庭園となっ
ており、別館らしき建物も幾つかある。一本道沿いにおかれた大きな岩には白く「睡
蓮亭」と屋号が彫られていた。
「まあ・・本当にあったわ・・」
宏美はやはり呆然とした。近親相姦カップルのみの秘密旅館など半分以上は信じてな
かったのである。期待と警戒が入り交じったものに胸をどきどきさせながら看板の表
示に従って車を入れた。駐車場は半分くらいが埋まっている。ナンバープレートを見
ると東京に限らず、かなり幅広く各地からきているようだ。外国大使館のものまで
あったのには驚いてしまった。
「ほら言ったとおりじゃん。僕が探してきたんだから間違いないよって。こっちの世
界じゃ有名だってんだから」
トランクから二人のバックを下ろしながら成幸が鼻高々にいう。それでも宏美は半信
半疑だ。あいまいにうなずきながらもどうしても実感がわかない。正規の地図に載っ
ていない旅館があったのは事実だが、問題はここがそんなサービス(?)をしているか
どうかだろう。
「何も気にせずに堂々と母子でいちゃつける」というのが成幸の説明だが、どう考え
ても眉つばだと思う。単に経営者が変人で地図に載せてないだけではないだろうか
――宏美がここまで来たのはあんまりにも成幸がせっついたからであって決して納得
しているわけではなかった。まあ、せっかくの連休に成幸と離れられるはずもないか
らといったところであろうか。
息子を愛する母

 (もう、あんなに大きくしちゃって。はしたない)
 嬉しそうに腕を取って歩き出す成幸の股間を見て宏美は思った。毎日息子のものを
しゃぶり、にぎっている母だけにスラックスの上からのふくらみで何を考えているか
だいたい判る。あれは思いっきり姦ってやるぞと相当に張り切っている状態だ――も
ちろんそんなものでそんな事が判るなど恥ずかしくて口にしたこともないが。
 成幸は十四歳にしては特に大きいほうではない。身体付きには無駄がなくボクサー
のような体型ではあるが、顔立ちが優しく整っているので服を着るとむしろ女性的な
感じさえする。美人と言って良い宏美と並ぶと母子というより仲の良い姉妹に見える
ことすらあった。そのあどけない微笑の裏側が実母の女体への貪欲な欲望に満ちてい
るとは誰が信じられたであろうか。実母の宏美ですらこういう関係になるまでは予想
だにしなかったのだ。
二人はやや古い作りの玄関の自動ドアをくぐった。ラウンジは厚手の絨毯がしかれ、
豪華な、そして見るからに趣味の良い内装品に飾られており、広さもかなりある。格
としては有名温泉地の一流クラスの旅館くらいはあるであろう。「いらっしゃませ」
という躾の行き届いた従業員の幾つもの挨拶を受けながらフロントへいく。
「予約しといた成幸と宏美だけど」
宏美を押しのけて成幸がフロントの青年に言った。こういう所では名前じゃなくて姓
をいうのよ――と宏美が注意しようとしたが、フロント内の青年は顔色もかえずに応
えた。
「いらっしゃいませ。成幸様と宏美様でございますね。確かに本日より三泊四日でご
予約いただいております。今、部屋へご案内いたしますが、その前にこちらの用紙に
必要事項をご記入ください」
驚いたことにその宿泊者登録用紙には姓だけではなく、通常あるべき住所だとか勤め
先だとかの記入欄がない。あるのは下の名とE―メイルアドレスだけである。何の疑
問もなくペンをとる成幸に宏美は心配げに小声で聞いた。





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