元ヤン介護士の知佳のブログ

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「ありさ できごころ」 第3話 Shyrock作

ありさ できごころ image

警備員詰所 ありさはテーブルに目をやった。
 テーブルの上にはシャンプー、リンス、タンポンが無造作に並べられている。
 後悔をしても今となってはもう後の祭りだ。
 盗んだ物の金額が例えわずかであっても、万引きは歴とした窃盗罪だ。


 車野山の指示に従い、ありさはやむなくバッグの中身を取り出しテーブルの上にゆっくりと並べた。
 ピンク色の財布、定期入れ、エドエンバリーの手帳、化粧ポーチ、アナスイの手鏡、ブラシ、携帯電話、ipod、ハンカチ、ティッシュ、そして飲みかけのミネラルウォーター。
 若い女性としてはごく一般的なバッグの中身だが、たとえ彼氏であっても見せることのない中身を人前で晒すことには抵抗があった。
 しかし自分が蒔いた種だから自分で刈り取るより仕方がない。


 車野山は並べられた物を窺っていたが、表情を変えることはなかった。
 バッグ内に万引きの品物が無いことは確認できたであろう。


「うん、バッグの中は無さそうだな。でもバッグ以外にも隠せる場所があるじゃないか」


 車野山はそう言いながらありさが着用しているチューブトップの胸元に視線を移した。
 一瞬たじろいだありさだったが懸命に抗弁する。


「洋服の中になんかに隠してません。信じてください!お願いです!」


「さあ、どうだかね。盗んでいないと言うなら証明してもらわないとね」
「そんなぁ……服を脱げということですか」
「脱がないでも証明できるなら脱がなくても構わないよ」


 知らない男性の前で衣服を脱ぐなんて耐えられない。
 だけど脱がなければ警察に突き出されてしまう。
 ありさは苦渋の決断を迫られた。


 それからまもなく、ありさは唇を噛みしめながら白のチューブトップに手を掛けた。
 万引きした物が3つだけであることは衣服を脱ぐことで証明できる。
 証明ができたら警察への通報は思いとどまってくれると言う。
 ありさは藁にもすがる思いで衣服を脱ぎ始めた。


「僕は君に服を脱げなんて一言も言ってないからね。君は勝手に脱いでいるだけだし。ふふふふふ……」


 車野山と言う男は実にずる賢い男だ。
 衣服脱ぐと言う行為が全てありさの意志によるものだとうそぶき、未然に脅迫行為を打ち消そうとしている。


 チューブトップを脱ぐと純白のブラジャーが現れた。
 その日ありさは肩や背中が露出するチューブトップを着用していたこともあって、ブラジャーは紐のないベアトップ型のものを着けていた。
 当然ながら車野山のまなざしは白い隆起に注がれる。


「それだけで証明できたというのかな?」


 車野山の暗黙の催促が飛ぶ。
 ありさはぎこちない腰つきでスカートに指を掛けた。
 その動作を瞬きもさせない鋭い瞳が凝視している。
 目を離した隙に盗品を隠蔽するかも知れないため、視線を逸らそうとしないのだろう。


 デニムスカートが床に落ち、ブラジャーと同色のショーツが車野山の目前に現れた。
 その日ありさは肌によくフィットした綿混ストレッチ素材のヒップハングショーツを着用していた。
 そのため恥丘の盛り具合がよく判別でき、本人は意識していなくても男性から観れば何やらそそるものがあった。


 ありさが下着姿になっても、車野山はにやつくことはなく相も変わらず鷹のようなまなざしで見つめていた。


「これでいいですか……もう隠していないって分かってもらえますよね……」
「いや、まだ隠す所があるからね」


 車野山はまだ疑っているようで、さらなる脱衣を催促してきた。
 そうは言っても人前で下着を脱ぐのは勇気がいる。
 更なる脱衣を躊躇しているありさにしびれを切らしたのか、腕組みをしている車野山の表情が曇った。


「少し急いでもらおうか」


 彼を不機嫌にさせることは決して有利にならないだろう。
 ありさは観念して背中のホックに手を掛けた。


 まもなくブラジャーが床に落ち二つの隆起が現れた。
 二つの隆起はみごとに完全な半球を描いている。
 乳首はそれほど大きくなく、まだ柔らかく来るべき完成形をそこで静かに模索しているようだ。
 その美しさに見惚れた車野山の喉がごくりと鳴ったが、緊張しているありさに聞こえるはずもなかった。


「もう許してください……」


 ショーツ1枚だけの姿になったありさは、両手で胸を隠しながらすがるように車野山に哀願した。


「無理だね。盗んだ数をまだ確認できていないもの。残りの下着の中に隠しているかも知れないし」


 車野山は冷酷な言葉でありさを突き放した。
 それは全て脱げと言う暗黙の指示であったが、現在の状況からありさは逆らうことができなかった。


 胸を隠っていた手を下半身へと移動させたありさは、ためらいがちにショーツに指を掛けた。
 それは身に着けている唯一の布切れであり、肉体を覆う最後の砦。
 純白の布切れがゆっくりと肌から放れていく。


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愛と官能の美学
脱衣を躊躇しているありさ image
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