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官能小説『蛇の毒』 第8章 (最終章) 三人の夜、三人の明日

益荒男様 作

官能小説『蛇の毒』

この小説はShyrock様のご許可を頂き掲載しています。

母娘悪戯心で勃起チ〇ポに手を伸ばし… 夕方になり、名残惜しそうに栄治から離れた靖子が駅まで母親を迎えに行った。留
守の間に栄治は風呂の水汲みを済ませて火を点ける。昨日の風呂はお湯の中で栄治が
出してしまったのでそのままにしておけなかったのである。
 改札口で出迎えた靖子を見て母親の久美がおやっと言う顔をした。
 「何、ママ。変な顔して。」
 「ううん、何でもない。」
 車の中でも久美は殆ど喋らなかった。靖子はそれが気になって仕方がない。
 「ねえ、ママ。パパと喧嘩でもしたの。」
 「何でそんなこと言うの。」
 「だって、凄い不機嫌な顔してるんだもの。」
 「そんなことはありません。それより、栄治は元気。」
 「ああ、いつもの通りよ。毎日飽きもせず隠れ家とやらに登ってるわ。」
 「そう。」
 靖子は出掛けまで栄治と抱き合ってたのがまずかったかな、と思い始めていた。風
呂に入る暇が無かったので、何となく栄治の匂いがしてるような気もするのである。
 「栄治、来たわよ。」
 車から降りた久美が風呂の薪をくべている栄治に声を掛けた。
 「あ、ママ。もう少しでお風呂入れるよ。ところで、何かお土産ある。」
 「お土産って、食べるもの。」
 「うん。」
 「車じゃないから大して持って来れなかったわよ。ハヤシと肉まんと。そうだ、カ
ツサンドがあるわ。」
パパ活サイトで出会ったひなちゃんに今日はハメ撮りをお願いしてみた。
 「どこの。」
 「万世のよ。」
 「凄い。ちょうだい。」
 「来る早々、食べ物の話しだけ。いつまで経っても栄治は・・・」
 突然久美が口ごもった。
 「ま、いいわ。向こうのバッグに入ってるから、食べなさい。」
 「はあい。」
 栄治がサンドイッチを頬張っていると久美が風呂に入ると言い出した。栄治と靖子
が家に入ろうとすると久美が靖子を呼び止めた。
 「靖子も一緒に入っちゃえば。たまには背中の垢擦りして頂戴。」
 「はい、ママ。」
 靖子が簡単に承知したので久美はちょっと驚いた顔をした。母親にさえ自分の体は
見せない。そんな靖子だったのである。久美は一通り自分の体を洗った後で靖子に背
中を向けた。
 「お願い。」
 「うん。」
 靖子が垢擦りタオルを絞って背中を擦り始めた。
 「ああ、いい気持ち。もっと下の方も。」
 母親の背中からは白い垢が出てくる。靖子が力を入れて擦ると白い肌に赤みが差し
てきた。
 「靖子もようやく女っぽくなったわね。」
 「え、」
 突然母親に言われて靖子が面食らった。
 「きれいになったわ。駅で見たら見違えるようだった。」
 「そんなこと無いでしょう。」
 「母親だから分かるのよ。」
 靖子が思わずギクリとした。
 「ねえ、何で急にそんなこと言うの。」
 「自分の胸に聞いてみれば。」
 「何のことだか分からないわ。」
 必死でとぼける靖子だが、母の背中を擦る手が震えていた。
 「女はね、男を知るときれいになるのよ。」
 靖子は何と答えていいか分からなかった。
 「ここには男は一人しかいない。私が言っている意味、分かるでしょ。」
 靖子の手が止まった。
 「どうしたものかしらねえ。」
 久美が大きなため息をついた。
 「ママ、変なこと言わないで。私たちが何したって言うの。」
 靖子が最後の抵抗を試みた。
 「栄治じゃなけりゃ、相手は誰なの。」
 「な、何の話し。」
 「とぼけるのもいい加減におし。車の中、プンプン匂ってたわよ。終わった後で風
呂に入らなかったんでしょ。大体、今だって匂ってるじゃない。そう言うときはきち
んと流さないと匂いはとれないものよ。」
 靖子が首をうなだれた。自分でも気になっていた匂い。それに久美が気付かないは
ず無かったのだ。
 「何で避妊しなかったの。」
 「生理だったから。」
 「え、生理で、その最中にしたの。」
 「うん。一番安全だと思って。」
 「そりゃあそうだけど。それで、栄治は嫌がらなかったの。」
 「全然。」
 久美がまた大きなため息をついた。
 「風呂から上がったら三人でよく話さないとね。」
 靖子は返事しなかった。
 「でも、何でまた、そんなことになっちゃったの。」
 「私が蛇に噛まれたの。」
 「え、蛇に。どこ噛まれたの。」
 「恥ずかしいとこ。」
 「まさか。」
 「外でお しっこしたの。そしたら、」
 「それで、大丈夫なの。毒蛇じゃなかったの。」
 「後で栄治にどんな蛇だったか説明したら、縞蛇で毒はないって。」
 「何、その、後で、って。」
 「毒蛇だったら毒を吸い出さなきゃいけないって栄治が言うもんだから。」
 「ははあ、それで栄治が吸った訳だ。」
 「うん。」
 「あの子も悪知恵が働くねえ。」
 「違う、違うの。二人とも気が動転してたから。咄嗟のことだったし、慌てて私が
頼んじゃったの。」
 「そしたら、気持ちよかった訳だ。」
 「う、うん。」
 「分かるわ。恥ずかしいところ吸われたら、そりゃあ、いい気持ちになても無理無
いわね。」
 久美がドラム缶を跨いで湯の中に入った。
 「靖子が女になった。それはとやかく言うことじゃないんだけど、その相手がねえ。
相手が弟じゃ、どうにもならないわよ。」
 「分かってる。でも、栄治だからその気になったの。」
 「あんなに仲悪かったのに。」
 久美がドラム缶から上がった。
 「じゃあ、あんた入っちゃいなさい。私は先に上がって栄治と話してるから。」
 「はい、ママ。」
 タオルで体を拭いた久美がタオル地のガウンを羽織って家に戻って行く。その後ろ
姿を靖子がきつい目で見送った。
 「栄治、ちょっと話があるんだけど。」
 テーブルの脇に座って雑誌を読んでいる栄治に久美が声を掛けた。
 「何、ママ。」
 久美が栄治の隣に座った。
 「あんた、高校二年生だったわね。」
 「そうだよ。何を今更。」
 「と言うことは来年十八か。」
 「うん。」
 「十八になれば一応親の承諾があればの話だけど、結婚も出来る歳だわよねえ。」
 「え、うん。」
 栄治は話しの内容を察したようだった。
 「靖子が上がってきたら、あんたもお風呂に入っちゃいなさい。その後で二人に話
があるから。」
 「う、はい。」
 その時靖子がパジャマ姿で戻ってきた。
 「出たわよ。栄治、入ってきなさい。」
 「はい。」
 手早く体を洗った栄治が戻ってくると二人は既に二階に上がっていた。下のランプ
を一つ持って上がったらしく二階が明るくなっている。残ったランプを消して栄治が
梯子を登っていった。
 「さて、二人揃ったところで、一体何があったのか、聞かせて貰おうかしら。」
 久美が部屋の端に座って壁にもたれながら聞いた。靖子は久美から離れて反対の端
に寝そべっている。仕方なく栄治が真ん中にあぐらを掻いた。
 「話すって、何のこと。」
 「駄目よ、とぼけたって。」
 「別に、話すようなことでもないと思うけど。」
 栄治はあくまでとぼけて通す積もりらしい。
 「駄目って言ってるでしょう。靖子はもう白状しちゃったんだから。」
 「白状したって、蛇に噛まれたこと。」
 「そうよ。その後のことも。」
 黙っていた靖子が両手を合わせた。ごめん、と言うことらしい。
 「確かに姉さんと仲良くしてたけど、それが何で悪いの。」
 栄治が思わぬ反撃に出たので久美が目を白黒させた。
 「だって、あんた達、セックスまでしちゃったんでしょう。」
 「したよ。」
 栄治が平然と言い放ったので暫く沈黙が続いた。
 「困った子。」
 久美が肩を落としてため息をついた。
 「でも、何で姉弟だといけないの。」
 栄治が布団の上に腹這いになった。部屋の隅にいた靖子もずるずると栄治の隣に来
る。
 「法律で決まってるのは、いとこ同士なら結婚出来る。でもそれ以上近い肉親とは
出来ない。確かそうだったと思うけど。でも、結婚とセックスって同じじゃないよね。」
 栄治が一人で喋っている。久美も靖子も何も言わなかった。話が遠いと思ったのか、
久美も栄治の隣に腹這いになった。
 久美は必死で栄治に反論しようとしていた。頭ごなしに『それはいけないことだ』
と言ってしまえば話は簡単なのだが、久美自身、改まって問われるとすぐには答えが
浮かんで来なかったのである。
 「うーん、ママにも何でかは分からないけど、世の中はそう言うことになってるわ
ね。」
 「これって、誰にも迷惑掛けてないよね。」
 栄治が母親に見えないところで靖子の手を握った。靖子もその手をしっかり握り返
した。
 「それに、姉弟仲良くすることって、何にも悪いことないじゃないと思うけど。」
 「仲良く仕方が問題なのよ。」
 久美の言葉が弱々しい。
 「それに、姉弟じゃ子供も作れないし。」
 「それ、変だよ。姉弟で子供作ったら、犯罪になるの。」
 久美がハッとしたように栄治を見た。
 「仮に姉さんに僕の子供が出来たとして、結婚できないから正式な父親にはなれな
い。それは分かるよ。でも、その場合、認知も出来ないのかなあ。多分できないよね。」
 久美と靖子が思わず顔を見合わせた。思いも寄らぬ言葉がまだ高校生の栄治の口か
らポンポン飛び出して来るのに面食らったらしい。
 「別に認知が出来なくても、その子供は姉さんの子供として戸籍には載るよね。」
 「え、ええ。」
 「父親が僕だって秘密にしておけば、特別問題にならないでしょう。」
 「そんなこと言ったって、周りが許してくれないわよ。」
 久美がとうとう本音を言った。
 「そこだよね、一番の問題は。何故かは誰にも説明出来ないけれど、世の中はそう
言う決まりになってる。だからその決まりを破ってはいけない。それだけじゃないの
かな。それに遺伝の話だって、必ずしも悪いことだけじゃないって本で読んだことあ
るよ。確かに病気になる確率は少し高いみたいだけど。」
 「まさか子供作ろうなんて考えてないだろうけど、姉弟でそう言うことしてるって
知られただけで、あんた達はまともに生きて行けなくなるのよ。」
 「それは分かってるよ。」
 それまで黙って聞いていた靖子が口を開いた。
 「ねえ、ママ。聞いて。」
 「何。」
 「私、栄治に大事なところ吸って貰って、そのまま歯止めが利かなくなって抱かれ
たことは確かよ。でも、こうなったこと、全然後悔してないわ。栄治はどう。」
 「僕も後悔なんかしてない。」
 「あんた達、ただ今の気持ちに溺れてるだけよ。」
 「そうかも知れない。でも、私は栄治がいなかったらこのまま男を知らずに歳ばっ
かり取って行ったと思う。だって、栄治以外に大事なところ触って貰おうなんて気持
ちになれないもん。」
 「それは、いい人が出来て結婚すれば自然にそうなるの。」
 「ママ、本当にそう思う。」
 「え、どう言う意味。」
 「結婚すればそうなるって断言出来るの。」
 「そうよ。誰でも結婚すればそうしてるでしょう。」
 「じゃあ、パパとママもそうしてる訳。」
 今度は栄治が姉の気迫に驚いた。久美は何となくばつの悪そうな顔で明後日を向い
ている。
 「ねえママ。何で私がお見合いの話し全部断ってるか、分かる。」
 久美はそれに答えようとはしなかった。
 「私が結婚したくないって思ってるの、パパとママみたいになりたくないからなの。」
 「え、どう言うこと。」
 栄治が口を挟んだ。
 「ママに聞いてごらん。何で今回パパが一緒に来なかったのかも。」
 久美が布団に顔を伏せた。暫くするとすすり泣きの声が聞こえてきた。
 いつの間にか栄治の手が靖子のパジャマの中に潜り込んでいた。お尻の上から伸ば
した指が靖子を探っている。靖子が脚を広げてその指を受け入れた。
 「ねえ、何か知ってるの。」
 栄治が靖子に小さな声で尋ねた。
 「それは後でママの口から聞いて。」
 靖子も栄治の方に手を伸ばしてきた。腰を浮かせた栄治がその手を招き入れる。手
を伸ばせば届くところに母親がいる。その横での戯れが二人をいつになく夢中にさせ
ていた。
 「ちょっと、あんた達。」
 気配を感じたのか、久美が顔を上げずに強い声で言った。
 「何。」
 とぼけた声で靖子が聞く。
 「何じゃないわよ。何してるの。」
 「何してるか、自分の目で見てみれば。」
 いざとなると女の方が強い。靖子が栄治のパジャマを下ろして仰向けにさせた。真
上を向いた栄治を握りしめて手を上下に動かし始める。久美が顔を上げた。何とも言
えない沈黙が三人の上を流れていった。ただ、靖子の手だけが休むことなく動いてい
る。その手元を母の目がじっと見据えている。
 「ママも触って見る。」
 靖子が手を止めた。
 「馬鹿なこと言わないで。そんなこと出来る訳け無いでしょ。」
 「そうかしら。」
 再び靖子の手が動き始めた。栄治の手も靖子のパジャマの中でモソモソと動いてい
る。
 「ああ、来るんじゃなかったわ。」
 久美が再び布団に顔を埋めた。それが合図だったかのように栄治が靖子のパジャマ
を下ろす。靖子の上に移動した栄治が膝を割って重なって行った。
 「あ、」
 靖子が小さな声を上げた。栄治がゆっくりと入って来たのである。久美が顔を上げ
て二人の方をチラッと見た。大きなため息が一つ。そのまま仰向けになった久美が虚
ろな目で屋根裏の天井を見つめている。そんな久美をよそに栄治の腰の動きが速くな
って行った。
 「あ、駄目・・・」
 「す、凄い・・・」
 時折靖子が発する呟きを聞きながら、久美はピクリとも動かずに横たわっていた。
やがて靖子の息が乱れ、咽の奥から押し殺したような悲鳴が漏れ始めた。
 「あ、え、栄治・・・」
 靖子の体が硬直して体が逆エビに反り上がった。辺りに甘酸っぱい香りが漂う。そ
の香りは久美にも間違いなく届いているはずだ。
 栄治がゆっくりと靖子の体から離れた。もう一度仰向けになった体の真ん中に先程
と変わらない逞しさで上を向いたものがランプの灯りを受けて光っていた。
 「ママ。」
 栄治が声を掛けた。返事はない。
 「ママ。」
 もう一度栄治が声を掛けて久美の方に手を伸ばした。伸ばした手を胸の上に置くと
激しく上下している。それでも久美は息子の手をどけようとはしなかった。
 「ねえ、ママ。パパのこと教えて。」
 「え、パパのことって。」
 「さっき姉さんが言ってたじゃない。何でパパが一緒に来なかったのかって。」
 「言いたくない。」
 「そんなに辛いこと。」
 「うん。」
 「分かった。」
 栄治が久美の胸を静かに撫で始めた。薄手のパジャマ一枚なので手の平に乳首が当
たる。隙間から潜り込んだ栄治の指が固くなった乳首を摘んだ。
 「駄目。」
 久美がそう言って嫌々をするように首を左右に振った。栄治がもう一方の手で上か
らボタンを外して行く。
 「駄目。」
 もう一度久美がそう言って目をつぶった。現れた胸は乳首が幾分大きいことを除い
て靖子と変わらなかった。栄治がそっと顔を寄せて片方の乳首を含むと久美が両手で
顔を覆った。
 「え、」
 久美が驚いて顔から手を離した。いつの間にか反対側に回ってきた靖子がもう一方
の乳首を口に含んだのである。
 「や、やめてちょうだい。」
 そう言いながらも久美は両手で栄治と靖子の頭を抱えて自分の方に押し付けた。靖
子の手が先に久美のパジャマのズボンに掛かった。栄治もそれに習う。両側から引き
下ろされ、すぐに久美の白いお腹が露わになった。
 「駄目、私は栄治の母親なのよ。」
 栄治と靖子は久美の乳首から口を離さずにパジャマを引き下ろして行く。とうとう
久美の下半身全てがランプの灯りの元にさらけ出された。
 「だ、駄目。」
 栄治の手が久美の茂みをそっと撫でた。必死に腿を合わせる久美だったが、僅かな
隙間を見付けた栄治の指が更に奥へと潜り込んで行った。
 「駄目だって言ってるでしょう。」
 靖子の手が腿の辺りを優しく撫でている。久美は必死で抵抗しているが、襞の中に
入り込んだ栄治の指は既に濡れ始めていた。
 「あ、栄治・・・」
 久美の膝から急に力が抜けた。最早久美の口からは駄目と言う言葉は出て来なかっ
た。
 「全く、あんた達は。」
 栄治が久美の上に重なった。久美が膝を広げてそれを受け入れる。最早観念したの
か、久美が自分から栄治を握って自分の方に導いた。
 「あんた達と一緒に地獄に堕ちるわ。」
 栄治を迎え入れた久美が自分から腰を持ち上げて大きく回し始めた。迎え入れた久
美の体は靖子と変わりない強さで栄治をキリキリと締め付ける。中の感触も似ている、
栄治はそれを味わいながら久美の動きに合わせていった。
 「あ、そこ・・・」
 栄治の先端が何かに当たった。
 「そ、そこ・・・」
 久美が脚を振り上げて栄治の腰に絡めた。更に深く突き進んだ栄治がそのコリッと
した感触目掛けて突き立てた。
 「だ、駄目・・・」
 久美の『駄目』は意味が違っていた。
 「い、いっちゃう・・・」
 久美の体がガクガク揺れ、栄治は千切れる程の強さで締め付けられた。それは姉に
は無い、激しいものだった。
 「ママ。」
 栄治が慌てて腰を退こうとした。久美の絡んだ脚がそれを許さない。
 「ママ、駄目。」
 一旦退こうとした腰を栄治が反対に突き出した。
 「栄治・・・」
 栄治がグッタリと久美にもたれ掛かった。久美は名残を惜しむかのように数回腰を
息子に擦り付けた。
 「ありがとう。」
 思いがけない言葉に栄治が驚いて顔を上げた。
 「こんなの、何年ぶりかしら。」
 それは栄治や久美が見たことのない母親の姿だった。手を伸ばして栄治がまだ固さ
を失っていないことを確かめると栄治の体を抱えたままゴロンと横になる。そのまま
栄治の上に跨った久美が腰を前後に擦り始めた。久美が栄治の両手を掴んで自分の胸
に宛った。コクコクとまるでタヒチの踊りのように速く動く腰。その動きにリズムを
合わせた淫らな音が屋根裏部屋に響き渡る。
 「ママ、素敵。」
 食い入るような目で二人の動きを眺めている靖子が思わず叫んだ。息子の上で狂っ
たように腰を振り続ける母の姿。剥き出しの欲望だけではない。身も心も、全てが一
体となった二人の間に入り込めない靖子が必死に母親の唇を求めた。長い夜の始まり
だった。
 夜が白々と明けていた。丸太のように栄治と靖子が裸のままで眠り込んでいる。高
校生と言う若さは大したもので、栄治は久美と靖子を交互に抱き、二人を何度と無く
失神寸前まで追い込んだ。自分自身も六回は達したに違いない。二人の寝顔を覗き込
んだ久美が大きく息を吐いた。靖子と栄治の関係を今引き裂くことは不可能だった。
自分と栄治の関係も最早後戻りは出来ない。久美は夫の姿を頭に描いた。今頃どこか
のホテルの一室で女と抱き合って眠っていることだろう。今までは子供達のことを考
えて目をつぶってきた夫の姿だった。
 靖子は既に父親の行状に気付いている。仮面夫婦のまやかしが靖子を男から遠ざけ
てきた。久美にはそれが一番のショックだった。子供達のためにと思って我慢してき
たことが、実は子供自身を傷付けていたなんて。そう思った瞬間に久美の決心が固ま
った。
 (別れよう。靖子も栄治も私に付いて来てくれる。)
 久美自身、決心が付かぬまま、それでも探偵事務所に依頼して夫の不倫の証拠は固
めてあった。今回の逢瀬も全て記録されているはずである。家も預金も、そしてこの
山小屋も全て置いていって貰おう。それで栄治が大学を出るまでの暮らしは十分に立
つはずだった。
 久美は次に靖子のことを考えた。栄治は姉や母である自分に溺れるようなことは無
いだろう。問題はこの歳になって初めて弟に肌を許した靖子の方だ。ここ暫くは仕方
ないとしても、ある程度熱が冷めてきたところで外にも目を向けさせよう。そのため
にも自分と栄治の関係は続けていかなければならない。
 そこまで考えて久美は自分自身に苦笑した。何のことはない。息子との関係を続け
て行く口実を探しているだけではないか。久美は素直にその考えを認めた。息子が久
しぶりに呼び覚ましてくれた肉の悦びを捨てようとは思わなかった。
 (この秘密、夫には絶対に知られてはならない。)
 久美はそう自分に言い聞かせた。
 「そろそろお昼よ。二人とも起きなさい。」
 久美が下から声を掛けた。暫くして二人が裸のまま梯子を降りて来た。
 「ちょっと、誰もいないからってその格好は何。せめてパンツくらい履いてらっし
ゃい。誰か来たらどうするの。」
 「分かってるって。下着が汚れて気持ち悪いのよ。」
 靖子が着替えの中から新しい下着を取り出して身に付ける。その上から栄治のTシ
ャツを着ただけで表に出て来た。栄治はトランクス一枚だった。
 「朝昼兼用よ。早く顔洗ってらっしゃい。」
 二人が手をつないで下の小川に降りて行った。その後ろ姿を見送りながら久美がフ
ライパンに卵を落とす。それはいつもの年と変わらない夏休みの景色だった。
 (来てよかった。)
 食事の支度をする久美の口元がついほころんでしまう。暫くして二人がさっぱりし
た顔で戻ってきた。
 「ねえ、ママ。」
 靖子が悪戯っぽい目で言った。
 「何。」
 「もし蛇に噛まれたら栄治に言うといいわ。きっと優しく吸ってくれるから。」
 「それじゃ、ご飯食べたら吸って貰おうかしら。」
 「まだ噛まれてないでしょ。」
 「噛まれたわよ。昨日の晩、何回もね。お陰で真っ赤に腫れてるわ。」
 靖子がクスクス笑った。
 「私も。」
 「じゃあ、二人並んで吸い出して貰おうかしら。」
 三人が声を上げて笑い転げた。
 少し離れたところを一匹の縞蛇がゆっくりと通り過ぎて行く。笑い声に驚いて一瞬
動きを止めたが、すぐに床下に潜り込んで行った。その尻尾に気付いた靖子がそっと
ウィンクした。



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