元ヤン介護士の知佳のブログ

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官能小説『秘愛館“睡蓮亭”』 第8話 恋歌様作

ビール「あたしだって女ですから、他の女の代わりみたいなのは嫌なんですが、断ると夜に
相手にしてくれないんで仕方がなく――せめて本番でも出来ればいいんでしょうが、
仲居はこのように着物を着る規則ですので勤務中は着付けを乱れさすわけにもいかず
――もう悔しくて悔しくて。なんでこんな兄なんだろうと・・あたしの気持ちを知っ
ていながらわざとあんなことをさせるんですから――」
 喋っているうちに自分の言葉に酔ってきたらしく、仲居の目元が赤味をおびてき
た。正座の膝に置いた両手を帯のほうに引きつけたのも理由あってのことであろう。
「特に今日はしつこくて、一回あたしの口にだしてからも開放してくれず、更に手で
顔に一回ださせました。兄は気持ちいいんでしょうが、その間、SEXどころか愛撫も
キスもないあたしは生殺しです。たまらず一人でオナニーをするんですけれども、お
客様に気づかれないように声すら押さえなくてはならないですし。またそんな兄の射
精道具みたいな状態での屈辱的なオナニーでもこの身体はあさましいほどに感じすぎ
ちゃいまして、今日だけでも二回はいってしまいました。それがまた悔しくて悔しく
て――
 兄ときたら、あたしの処女を奪った時にはあたししかいないなんて言っておきなが
ら、あたしが兄の身体から離れなくなったと判ると、後は平気でよそに色目をつかう
んですから。
 奥様のところはそんなことありませんか?」
「え、えぇ?・・いや、その」
 急に話しを向けられてもただ呆然と聞いている宏美に反応ができるわけない。ま
あ、仲居も意見や同意を期待しているわけではなかったらしく、返事のないことも無
視してまるでつかれたように話しつづけた。
「実は高校を中退してこの旅館に就職したのも、人目を気にせず自由に愛しあいた
かった以上に兄の浮気癖を何とかしたいがためなのです。ここは近親愛以外にはかな
り厳しく、実質的にあたし以外には手を出せない規則になっていますから。でも、禁
止されているのはSEXだけなので、兄はわざわざ見せ付けるように、あたしを虐める
ようにあんな事をするんです。毎晩、勤務時間の後、兄の全部を搾り出してはいるん
ですが・・」
 急に言葉が途切れ、仲居は身体を前に曲げた。慌てて宏美が抱き起こそうとするが
成幸が止める。成幸には表情と呼吸で、女が自分の言葉に反応し、それだけでいって
しまった反応だと判ったのだ。実際、そのとおりで数分もしないで仲居は元に戻り、
非礼をわびつつ急いで膳を片付けていってしまった。
「う―――ん」
 仲居が去った後、成幸は真剣に感心して見せた。異常な告白に顔も身体も紅潮して
しまった宏美としては“何に?”と問いただす気もしない。無言で備え付けの冷蔵庫
に行き、もう一本ビールを取り出す。
 手酌で飲み出した母を見て成幸は意味深に微笑み――子供のようにすりよった。
「すごいね。お母さん。世の中には上には上がいるもんだね」
「・・まあね。――――上ってのがひっかかるけど」
「お母さんは僕がお母さん以外に目を向けたらどうする?」
 あどけなく訊かれたせいでもないが、宏美は咄嗟に反応できなかった。しばし考
え、何とも言えない表情になる。言いたい事と言うべき事の格差が脳裏を混乱させた
のだ。それでもようやく口を開いた。
「・・その時は、まあ・・あなたの意思を尊重するわよ。わたしはあなたの母親なん
だからね。あなたの幸せのために・・」
 そこまで言いかけて宏美はぎょっとした。成幸が――いつもにこにこと機嫌のいい
息子が見たこともないような不機嫌な表情になっていたのである。無意識のうちにも
その表情に押されたように気がひるんだ。
「ふ――――ん。じゃ、お母さんは僕のためなら他のどの女と何を姦ってもいいんだ
ね」
 あまりに露骨な言い方に宏美のほうがひるみ、言い訳するように反応した。
「そんな意味じゃないわよ!そんなどの女だなんて・・」
 成幸がごろん、と横になり宏美のそろえた膝に頭を置いた。見上げる目が笑ってい
る。やった!と言う笑いだ。また引っ掛けられた事に気づいて宏美は真っ赤になり、
思いっきりそっぽを向く。膝にあたる息子の上気した肌の熱さを無視して立て続けに
ビールをあおった。
「ねえ」
 膝から甘えるように成幸が言った。
「怒ってんの?・・」
「知らないわよっ!」
 母親の不機嫌――ないしは照れを無視して成幸は続けた。
「ねえ、ビールちょうだい」
「駄目だって言ったでしょう!未成年に飲ませてはいけないって法律で決まっている
の。ほ・う・り・つ・で!」
 恥ずかしいことを言わせられた恨みから宏美はことさら嫌味っぽく断る。しかし、
成幸は怒りもせず――
「じゃ、キスして」
「え?」
「ビールをふくんでキスをして。それならいいじゃん」
 こういうHなことを考えるのは天才的ね――一瞬本気で宏美は思ったが、何かいや
らしいこの提案もなんとなく捨てがたい。やや迷ってから、ビールを一口含む。そし
て膝の上で待っている成幸の唇にキスをした。
 待ち構えていた息子の舌はあっさりと母の唇を割り、やや苦いビールと甘い唾液に
満ちた口の中をねっとりと動き回った。お互いの唾液とビールが二つの口の中で混ざ
り合う。とろんとする快感に宏美は先ほどの怒りがすうっと消えていき、いつしか
ビールを傍らにおいて成幸の頭を両手で抱えていた。
 かなりしてから――口中が二人の唾液だけになってから成幸はそっと身体をひねっ
て起こした。唇を重ねたまま宏美も合わせて動く。そのまま成幸に引かれるように二
人は歩み、隣の寝室――二人分の大きな布団のしかれた部屋へ移った。
「優しくしてね・・今度は・・」





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40歳の妻と55歳の夫の熟夫婦です。子供たちが親離れをしたので夫婦で出かける機会が増えてきました。混浴温泉が大好きな夫に連れられて、妻は仕方なく温泉に入り、記念写真まで撮られてしまいます(^^ゞ
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