元ヤン介護士の知佳のブログ

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官能小説『秘愛館“睡蓮亭”』 第3話 恋歌様作

鑑賞 「成幸君は十四歳でしたよね」
「はい」
「では最初にお母さんを姦っちゃたのは幾つのころですの?」
 あんまりあっさり言われたので宏美は意味が咄嗟に判らなかった。
「十二歳の時です。ちょうど僕の誕生日の夜にプレゼントとしてお母さんを抱きまし
た」
 成幸が胸を張るようにして答える。そこでようやく内容を理解した宏美の顔から血
の気が引いた。今まで誰にも言ったことのなかった母子の関係なのに!
「まあ、よろしいですね。そんな新鮮な時からですか。わたしなんか息子が十九の時
でしたから手垢がたっぷりついている状態で――確かわたしで五人目っていってまし
たっけ」
 女将が平然と言い、先ほど以上に宏美は驚いた。彼女の人生で自分達以外に近親相
姦をしたという人を見たのは初めてだったからだ。ましてこのように堂々と本人が母
子相姦を公言するなどとても信じられない。言えば社会的な全てを失いかねない事実
ではないか。そもそもこの上品な婦人が実の息子に肉体を捧げている事自体が本人に
目の前で告白されても信じられなかった。
 唖然として声も出ない宏美の前で成幸と女将は楽しげに談笑を続けた。
「宏美様も成幸君も勇気がありましたのね。うらやましいわ。わたしももう少し勇気
があれば息子の最初の女になれましたものを」


「僕も今のほうが幸せなのでのでよかったと思っています。ところで女将さんの息子
さんは今どちらへ?」
「ここの専務でして、昼間は三号館にあるエクササイズルームの管理を行っています
わ」
「一緒にいるんですか?」
「ホホホ・・当旅館の従業員はみんな、お二人と同じ関係の者ですわ。たとえば板長
の娘は経理をしていますし、庭師の姉は専属の栄養士です。あとエステテックルーム
の二人は兄妹で、仲居頭の息子は警備の責任者でしたっけ。他にもそうでない者はお
りません。やはり当旅館のお客様のニーズにお応えするには同じ価値観を持っている
べきだと思いまして。まあ兄と弟とか姉妹同士とか私には良く判らない者もおります
けど――
 ああ、そう言えばいらっしゃった時、フロントに真面目そうな青年がいたでしょ
う」
「はい」
「何か変な感じじゃなかったですか?」
 フロントの青年の様子がおかしかったことは二人とも気づいている。成幸がうなず
いた。
「恐らくフェラチオされていたんですわ」
「え!?」
 思わず二人は声をあげてしまった。
「あの者には変な趣味がございまして、素敵な――ちょうど宏美様のようなお客様が
いらっしゃると猛烈に興奮するのです。そして仲居として勤務している妹を密かにフ
ロントのデスクに呼び出して口と手で発散させるという訳でして。妹のほうはこちら
のお部屋の配膳係でしたので、よろしければ夕食の時にでもお確かめ下さい。」
 宏美はあんぐりと口をあけた。何と言って良いか見当もつかない、するとあの場で
兄妹の口姦が行われていたのか。いやそれ以上に、ここは成幸の言ったとおり近親愛
専門の旅館なのか!
「他にお客さんは多いんですか」
成幸は目を輝かせている。宏美としては恥ずかしかったが、自分も興味のある質問
なのでなんとなく止めかねてしまった。
「本日は連休の中日ですので、ちょうど入れ替えになりますが、ほぼ満室です」
「外人さんも来ているようですが」
「ええ、いつもごひいき頂いております。本日は白人と黒人の二組ですので庭園にで
も出ればすぐお目に留まるでしょう」
「組合わせは?」
「白人が母子。黒人は家族四人で――あら、まあ。いけないいけない。わたしの口か
らは言ってはいけない事でした」
女将は上品に笑って話題をかえた。
「ところでお二人は初めてですので、ここの規則を説明させていただきます。
 まず、このお部屋はお客様だけのものです。必要な従業員以外、他のお客様を含め
て余計な者が入ってくることはございません。どうぞごゆっくりとお二人でおくつろ
ぎください。また、逆に他のお客様の部屋に入られることはいかなる事情がありまし
ようと固くお断りします」
 女将はにこやかに言った。
「それから、当旅館の敷地以内であればお二人同士に限り何をなさっても結構です。
他のお客様や従業員に見られる事さえご了承いただけるのなら階段であろうラウンジ
であろうと、庭園、浴場――禁忌はございません。この周囲一帯の山と土地は全てわ
たくしどもの所有であり、下品な邪魔者は一切は入れませんので安心してご自由に振
舞いくださいませ。
 また他のお客様や従業員が何かしているのを鑑賞なさるのは完全に自由ですが、お
手は一切出さないでください。もし意気投合なされた場合もそこら辺りでは禁止しま
す。どうしても必要であれば四号館がそれ用の施設ですので、そちらをご利用くださ
い。重ねて申し上げますが、それ以外の全ての場所は近親愛のみの場でとさせていた
だいておりますのでご了承ください」
「判りました」
にこやかに了承したのは今回のホストの成幸であってゲストの宏美は声すらでないほ
ど驚いたままだった。
「では、どうぞごゆっくり」




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